経歴・受賞
1980年:東京工業大学 理学部化学科 卒業
1985年:東京工業大学 大学院理工学研究科 化学専攻 博士課程 修了
1985– 1990年:東京工業大学 理学部 助手
1988–1990年:スタンフォード大学 化学科博士 研究員
1990–2000年:東京工業大学 生命理工学部 助手
2000–2004年:東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生命情報専攻 助教授
2004–2016年:東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生体分子機能工学専攻 教授
2016年–現在:東京工業大学 生命理工学院 教授(改組による)
1998年:有機合成化学奨励賞
1999年:三共研究企画賞
教育活動
学部:有機化学第三、有機化学第四、医薬品化学、他
大学院:生物活性分子設計(英語)、他
研究活動
有機化学の研究は「新しい方法論の開発」と「それらに基づく有用化合物の合成・創出」を車の両輪としている。
当グループでは、この2分野のバランスをとりながら研究を推進している。
有機化合物の分子を思い通りに合成する新しい手法の開発は、それまで研究対象としたくても入手不可能と考えられてきた有機化合物を実際に手に取ることを可能にし、新しい発想に基づく応用利用を可能にしてきた。
同時に、東工大での生命理工の研究では、自然にある物質や現象を分析し解釈するだけにとどまらず、それらを人工的・他律的に応用利用することがとりわけ重要となる。
バイオ研究の対象は云うまでもなく有機化合物であり、したがって有機分子を必要に応じて改変しあるいは作り上げることが、この領域のさらなる発展に寄与する。
この観点から、上述した新しい方法論により、実際に天然の生物活性化合物あるいは人工の医薬等の新たな合成を行っている。
所属学会
日本化学会、有機合成化学協会、近畿化学会
メッセージ
皆さんが小さい頃から大学学部まで取り組んできた勉強は、すでに分かっていること(=やればうまくいくこと)を問題として、それに対する解答を作ることで成り立ってきた。
したがって、皆さんは自力でほとんど解答出来たと思うし、もし残念ながら解答にたどり着けない場合には、模範解答を見ればそれで理解出来た。
ところが、研究室に所属して始める研究は、もはや上述のようなやればうまくいくことを問題とはせず、所詮うまくいかないことばかりが問題となり、模範解答は当然無い。
それでも少しづつ手探りで前進して、自分独自の何らかの答え(応え)を見つけていくことになる。
研究室所属の前後で、いままでやってきた勉強とこれから始める研究の違いについて、このような頭の切り替えが早く出来ると、いよいよ研究にやみつきになると思います。